大阪高裁2019(令1)年11月8日決定

面会交流

面会交流申立てにつき、間接交流のみを認めた原審判を変更し直接交流を認めた事例

出典
家庭の法と裁判29号78頁、判例タイムズ1476号74頁、判例時報2447号5頁
事案の概要

抗告人(夫)と相手方(妻)は、2010年に婚姻したが、2013年に妻が子ら(2010年生、2013年生)を連れて出て別居した。2015年に月1回程度の面会交流を定める別居調停が成立した。夫婦の不和の原因には夫の女性関係がある。別居後、父子は面会交流を続け4人で海外旅行をするなどもした。妻は2018年頃から心療内科に通院し、その頃、夫方で交際女性と対面して以来、夫婦の関係は悪化した。夫は面会交流調停を、妻は離婚調停を申立てた。原審は、子らは父を慕う気もちはあるが、長女は、夫婦の関係修復に十分に答えない父と面会することは母を悲しませると案じており、面会が長く途絶えることは面会の機会を奪うので、適宜の時期に直接面会の再開について協議を始めるのが相当であるとして、前件調停の実施要領(直接交流)を間接交流に変更した。父が抗告した。

決定の概要

「長女は抗告人に会いたいと思う一方、相手方の心中を慮って会うことを躊躇するという忠誠葛藤に陥っており、この状態が続けば、長女に過度の精神的負担を強いることになる。したがって、抗告人と未成年者らの直接交流を速やかに再開することが未成年者らの福祉に適うと認めるのが相当である。」「相手方は、抗告人との接触を避けることが望ましいと診断されているが、未成年者らの年齢(9歳、6歳)や発達状況からすると、当事者のいずれかの目が届く範囲の短距離であれば、受渡場所まで未成年者らだけで歩いて行くことは可能であるから、相手方と抗告人が直接対面することなく未成年者らの受渡しができないわけではなくい。したがって、相手方の心身の不調は、直接交流を禁止、制限すべき事由にはならない。」として、原審を変更し、具体的な実施要領を定めて、月1回7時間の直接面会を命じた。(S)