東京家裁2019(令1)年12月6日審判

親権・監護権・子の引渡し

外国における父母の共同親権とする定めが日本においても有効とされる場合、単独親権への変更は子らの利益のために必要であるとして認容した事例

出典
家庭の法と裁判29号129頁、判例タイムズ1478号252頁、判例時報2456号123頁
事案の概要

申立人(母)と相手方(父)は、2013年、外国において長女及び二女の親権を共同親権として裁判離婚した。申立人は、子らを連れて同年日本に帰国し、以後日本で単独で監護しており、相手方は、以来、子らと面会も養育費の支払いもしていない。申立人は2019年からAと同居を開始し、婚姻を予定し、子らも同居している。Aは子らとの養子縁組を希望しているが、共同親権となっていることから申立人一人で縁組の代諾ができない。申立人から自分を子らの親権者に指定するとの審判を求めた。

決定の概要

日本の裁判所は本件の国際裁判管轄を有すること、準拠法は日本法であること、本件の離婚は民事訴訟法118条の要件を満たし、外国における共同親権の定めが、日本においても有効であること、本件の親権者指定の申立ては、単独で親権を行使できるようにすることを求めていると理解できるから、民法8196項に基づき共同親権を単独親権に変更することも申立ての趣旨に反するものではないことを認めた。また、申立人による6年以上の単独監護に問題は認められず、「(Aと)養子縁組することが、生活環境の安定にも資することになり、子らの利益となるといえることに照らすと、子らの親権を申立人と相手方の共同親権から申立人の単独親権へと変更することが子らの利益のために必要である」として、申立てを認容した。(B