福岡家裁2020(令2)年1月10日審判

面会交流

母が審判で定めた面会交流を実施しないとして父が面会交流調停を申し立て、面会交流の内容を特定して前件審判の主文のうち必要な部分を変更した事例

出典
家庭の法と裁判30号88頁
事案の概要

申立人(父)と相手方(母)は、2010年に婚姻したが、2011年に母が未成年者(2011年生)の出産準備のため実家に戻って以降別居した。別居当初父子は不定期に面会交流を行っていたが、2015年11月に未成年者の親権者を母と定めて離婚してからは実施されなかった。父は2016年11月、面会交流調停を申し立て審判移行となった。審判では、概ね面会交流を実施する月(毎年3月、7月、12月)と回数(各1回)、面会時間(2時間)などが定められたが、面会交流の具体的な日時、場所及び方法については、母が、面会交流をするのであれば当事者間で連絡を取り合い調整する意欲意思を見せていたことから当事者間の協議に委ねることとされた。しかし、母は面会交流義務を履行せず、裁判所による履行勧告にも応じなかったので、父は2019年6月、再度面会交流調停を申し立てた。母は調停期日に出頭しなかったため審判移行となった。

決定の概要

「申立人と未成年者との面会交流を拒否する相手方の姿勢は強固なものであると認められ」、相手方は「申立人と未成年者との面会交流について、申立人との間で協議することも拒否しているものと認められる」ことからすると、「前件審判の主文に至った理由として説示された、相手方は直接の面会交流には消極的であるものの、面会交流を実施するとなれば、当事者間で連絡を取り合って具体的な調整を行う意思を見せている、という点は、現時点において考慮することはでき」ないとし、「面会交流の確実な実施のためには、監護親である相手方がすべき給付の内容を特定すべきである」としたうえで、日時を「毎年3月、7月、12月の各第4土曜日の午前11時から午後1時まで」、引渡場所を未成年者が見知った場所である大型ショッピングセンター「E前」とするなどして、前件審判の主文を一部変更した。(KO)